経済と政治と企業。
MBAの勉強すればするほど、企業経営っていうのは、経済と政治と切り離せないものなんだなーと思う。2冊読んだので備忘のため書評。
ハーバードの「世界を動かす授業」 ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方
- 作者: リチャード・ヴィートー,仲條亮子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/08/27
- メディア: 単行本
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日本、中国、シンガポールなどの戦略を比較しつつ、それぞれの問題点を明らかにしていく。資源に乏しい日本が、いかにして世界第2位の経済大国になったか。そこには、経済、政治、企業経営の三位一体となった戦略があった。一方、現在に目を転じてみると、中国やシンガポールが外国企業からの直接投資に対して開かれていて、海外の技術やノウハウを積極的に取り込んでいるのに対して、日本は税制や法制度の面で旨味がなく、海外企業にとって敷居の高い国になってしまっている。例えば、ハーバードビジネススクールの分校は、中国には「ある」が日本には「ない」。結果、グローバルスタンダードを間近に感じる事のできない日本では、一層のガラパゴス化が進んでしまう。
Amazonなんかの書評にあるとおり、翻訳がいけてない。。。たまに「誤訳?」というのもちらほら。ただ、内容としては面白いし、企業の国家に対する責任を考える材料になった。日本の企業は日本に対して何ができるんだろうか、今のダメ日本を変えることはできるんだろうか、と。
会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」
- 作者: 冨山和彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/07/13
- メディア: 単行本
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日本の政治(=国家戦略)と企業経営がうまくマッチして、経済をぐいぐい引っ張っていたのが、高度経済成長期で、戦略なくなんとなくもうかってしまったのがバブル期。バブル期の好景気が、高度経済成長期以降の戦略を根本的に考え直す機会を奪ってしまった、とな。今がどんだけやばい状況なのか、ということを、考え直すきっかけになった。
一方、著者の個人経験談が多いので、もうちょっと根拠となる情報を示しつつ、アカデミックに書いて欲しかった感がある。