Maroc

壮絶なモロッコ旅行。得難い経験をした1週間。

フェズの迷宮。電車の時間が近づく中、本気で迷子になった。しかし、道を聞く人聞く人、帰ってくる答えの正確さは7割程度。最後は現地の少年から100点の回答を得て、無事に生還。少年、ありがとう。

中でも、砂漠ツアーは格別だった。

未舗装道路のランドローバーにて走行。果てしなくつづく平原の中、テロリストのアジトに連れて行かれるのかと本気で思った。

暖房のない砂漠の地で一泊。テントと毛布2枚で寒さに打ち震えながら一夜を過ごした。同じくツアーに参加していた年配の夫婦の生死を心配するほど、寒かった。

日没後のアトラス山脈を時速100キロで走行。発展途上国ロッコの山道に、街灯などない。ガードレールさえ所々だ。そんな山道でも100キロの爆走。このツアー、ドライバーと私たちの間に強い信頼関係がなければ成立しなかったであろう。


砂漠の日没、星空、日の出、よだれを垂らしたらくだ、青空に張り付く白い雲、吸い込まれそうなアトラス山脈、ボロ車で乱暴な運転だったけどモロッコ人の生活を不器用に教えてくれたドライバーのアイサ、タジン、クスクス、ブロシェット、絞り立てのオレンジジュース、商売根性丸出しだけど根はやさしいモロッコ人、全てが色鮮やかに記憶に残る、素敵な旅になった。


発展途上国に旅してあえて苦労をする(あるいは「したい」と思う)、先進国の人々の『自己満足的』な旅行の仕方には未だに違和感を感じるけれども、それでも、この砂漠ツアーのおかげで、暖かいシャワーを浴びられる事、電気のある明るい部屋に暮らせる事、電車とバスでどこにでも行ける事、私たちが「日常」だと思っている事すべてに感謝することができた。そんな旅だった。